「感触が残る映画!」

modmasa2005-01-03

the brown bunny』。主演は『バッファロー'66』のヴィンセント ギャロ。彼はNYでバスキアに出会いその後、バンドを組み、映画出演し、最近は監督、脚本、モデル、プロのバイクレーサー、写真家、画家と多彩な才能の持ち主だ。この作品は、映画にも出てくる黒いバンに、バイクと自分のカメラとサウンド装置、照明、そしてスタッフ全てを乗せて撮影された。監督・製作・脚本・撮影・美術・編集・出演ととことん製作した姿が伺える。2003年のカンヌ国際映画祭で前代未聞の激しいバッシングに晒された問題作である。シーンの大半が無言で淡々と時間だけが過ぎていく。何かを求めてこの映画を見始めるとただただ退屈なだけかもしれない。

彼曰く「ヒロインのキャスティングも同じだ。長い間「クロエ・セヴィニーは、共演したくない女優だった。自分もクロエが出る作品は断ってきた」。クロエは、元カノでもあり、別れた後にはメディアを通じて一悶着あったのだ。でも、この作品のヒロインは彼女でなければならないとヨーロッパにいる彼女に電話した。彼女も二つ返事でOKしたという。2人は、撮影のためにずっと一緒に過ごし、ギャロはそのときは彼女に恋していた、」と告白している。そこまでとことん取り組んだ作品だ。

どちらかという散歩程度に見る方がいい、特に何も求めずに。最後の15分で怒り、悲しみ、弱さ、憎しみ、慈しみ、愛など複雑な感情の絡み合いシーンに生じる。画面から噴出してくる人間のきれいでもあり、汚い部分の感情の噴出。あまりにもリアルであり存在感を感じる映画であった。感触が残る映画だ!砂漠でバンからバイクを出して一面地平線の砂漠を走るシーンが「内なる傷痕」 - masa visionフィリップ・ガレルの作品のシーンを思い出させた。ある意味アメリカの景色を表現した作品とも言える。

ヴィンセント・ギャロの新作『ブラウン・バニー』は、愛する女性を失った男の壮絶な渇望感を描いたロードムービーだ。その途方もない渇望感が、まっすぐに続く道や平原など直線的なアメリカの風景と重なり合う、キレイな映画だ。固定カメラでずっと撮る続けるという技法も独特で、まさにギャロの俺様流なロードムービーに仕上がっている。
「133,920枚の繊細で美しい写真集といえるこの作品は、最後の一枚の為に、残りの133,919枚が存在している。」
石崎圭一(アート・ディレクター)

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monthly feature:Vincent Garo×the brown bunny/『ブラウン・バニー』クロスレビュー

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