「表層都市 お台場」

「踊る大捜査線THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」
ここまで国民的に評判の良い作品も無い。ＴＶシリーズ無くしてこの作品の善し悪しは語れないだろう。
ＴＶシリーズがあってのこの映画という作品の位置づけが良さそうだ。

５年後のお台場ということで相当な変貌ぶりが最初の空撮からも伺える。
バブル期からバブル崩壊にかけて生まれた街、お台場。
90年代から21世紀の東京。都市の変貌を一番表層に表している地域だけにそこに着目した湾岸書という舞台設定が一番現れている。このお台場地域は正直に表層に現れているが故に未完成都市だ。
その風景はこれから生まれる新しい都市になる前の空き地に見えたり、無惨にも都市博を実現出来ずバブルもはじけてしまった手つかずの土地にも見える。
全てを塗り替えることが出来なかった昨今では珍しい地域。
この特殊なお台場地域をもう少し生かして話を展開も出来たようにも思った。

話の中で出てくる組織論。現代のテロの組織の形態がまさにそうだ。
現代のツリー構造の命令系統ではおよそ追いつかない組織がテロ組織には出来上がっているそうだ。
末端は単独に行動がされておりそれ故にテロは確実に実行へと移されるのだとか。

STORY
様々なビルが建ちならび、観光名所となったお台場の湾岸署では、道案内、迷子、交通渋滞整理など地味な業務が日常を占めていた。ところがそこに特別捜査本部が設置される殺人事件が発生する。そこで殺人事件特捜本部長に、初の女性キャリア沖田が任命され、サポートに室井がつく。
青島らは必死の捜査を進めるが、第2の殺人事件が発生。しかし第一発見者から重要な証言を得ることに成功し、被疑者に辿り着くために本庁へ栄転した真下が湾岸署に呼び寄せられる。フルメンバーが揃い、さらに捜査に全力を注ぐも、日々新しくなるお台場では、地図上にない道が存在し、新たに建設されるトンネルが、青島らの行く手を阻む。複数の凶悪事件が同時多発、動機の見えない殺人事件、警察機構内部に蠢く不穏な動きなどで渾沌とする状況の中、彼らは被疑者を確保することができるのだろうか。凶悪犯の魔の手は、もうそこまで伸びている！！

このお台場の構図をオープニングから何度も空撮や地図で繰り返し描かれている。