「ハゲタカ」

modmasa2006-09-27


真山仁原作「ハゲタカ」「バイアウト」のイタリア賞受賞のNHKドラマ。
バブル崩壊後の日本の企業にとって必要な方向性を探る、現代を象徴するドラマ。
企画のきっかけは一昨年のライブドア騒動。訓覇ディレクターは、買収される側に興味を持ち、真山仁の原作小説に出合った。
「取材すればするほど、買収する側にも正しさがあると思えるようになった。話を聞いたファンドマネジャーたちは、単なるカネのためでなく、自分なりの正義を貫いている人が多かった」と話す様に、現代のグローバル経済の真っただ中で行われている経済論理のルールから観た世界を良く描いている。
ハゲタカとよばれる外資系ファンドマネージャの鷲津(大森南朋)が「腐ったこの国を、買い叩く。買い叩く。買い叩く」
一見冷ややかな言動なようだが、バランスさえ整えば無理の無い方向性の模索とも言える。
ただ、そこには人々の生活があり、個々人の思惑もある。企業の手術はなかなか難しい。
失われた10年。企業は出資者(株主)がすべての権力をもっているのだが、企業の価値は出資者だけではなく、経営者、従業員、取引先企業、顧客それぞれがあってこそ生み出される。
経営の効率が悪ければ、株主は経営者を入れ替えるようとする。昨今話題のTOBは、現経営陣に対し、もっと効率的な経営があるとして経営の変革を求める行動の一つだと理解すると分かりやすい。

ハゲタカ 概要・あらすじ
 経営が傾いた企業の買収を進める男と、その企業を再生しようとする男。対照的な2人の姿を通じて、バブル崩壊後の日本の企業にとって必要な治療法とは何なのかを問う。
 主人公・鷲津(大森南朋)は外資ファンド「ホライズン・インベストメントワークス・ジャパン」の代表者。
 倒産しかけた企業の株式・債権をほぼ底値で買取り、経営の支配権を獲得したのちに高値で売り払うファンドマネージャーのエキスパートである。5年間、アメリカで経験を積み、日本に帰国してきたばかり。
 以前は三葉銀行に勤めており、全6話を通じて彼のライバルとなる銀行員・芝野(柴田恭兵)は当時の上司。また、鷲津は銀行員時代、ネジ工場「三島製作所」の三島(渡辺哲)に対して上司の命令で融資を渋り、経営に行き詰まった三島を死に追いやったことがある。
 そして、鷲津に注目する東洋テレビ・記者は由香(栗山千明)。鷲津が死に追いやった三島の娘である。
 ドラマ「ハゲタカ」は鷲津(大森南朋)、元上司・芝野(柴田恭兵)、記者・由香(栗山千明)の3人と、第1話で鷲津の買収ターゲットとなる老舗旅館の長男・西野(松田龍平)の変化を中心に描かれていく(全6話)。本来は2006年秋ごろに放送される予定だったが、出演者の降板(*)があり、収録が延期された経緯がある。
 *中村獅童さんの代役として松田龍平さんが西野治役に選ばれた。
http://www.nhk.or.jp/hagetaka/
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ハゲタカ(上) (講談社文庫) ハゲタカ(下) (講談社文庫) ハゲタカ2(上) (講談社文庫) ハゲタカ2(下) (講談社文庫)