「広告成り得ない広告」

普段から気になる看板がある。そこは丁度坂を上って来て大通りに交差する交差点に立っている。坂の中腹から徐々にその全貌を表し始め特に夜の暗い時間には看板を照らす明るさがひと際目立っている。その看板にただのハートの看板が立っていた。宣伝の看板にも関わらず文字も無く何の看板なのか全然分からなかった。ただただペイントされたハートの赤が新鮮に見える作品。よくよく近くに行って見ると小さくtoy'sfactoryのロゴが見えた。恐らく何かのアーティストの作品（恐らくアルバムとか）だろうけど、その限定するものが欠けている。広告に成り得てない事が広告の作品でいいなと単純に思った。実際はmy little lover（http://www.toysfactory.co.jp/mylittlelover/）のアルバム「FANTASY」（ASIN:B00011ZF6C）だったのだが発売前後数ヶ月その看板が立っていた。巷には主張しすぎる看板が多い中、毎日見て自然と景色に溶け込んでいるこのような看板はいい。ドラマの「ロングバケーション」で毎回出て来た、主人公が住むマンションの上の看板の様に日々の生活の中で数ヶ月生活の一部に成った。作品の展示として扱った看板も今後もっと増えて欲しい。