「鑑真和上の空間」

modmasa2005-01-12

多忙の合間をぬって唐招提寺展を見た。唐招提寺は、日本に正式の戒律を伝えるため、様々な困難の末に目が不自由になりながらも、不屈の精神で来朝した中国の高僧・鑑真和上により創建された律宗の総本山。今回の展示は、奈良時代を代表する建築である同寺金堂の平成大修理を記念して開催されるもので、主な見所は、国宝 鑑真和上像盧舎那仏坐像だ。最初で最後の空間と視点が体感出来る展覧会だ。一番見てみたかったのはその大仏他仏像で織りなす空間。とにかく荘厳だ。仏像なのにその存在感が凄い。魂が宿っている。会場には観覧の多数の人が居るにも関わらず荘厳さはその人の多さにびくともしない。盧舎那仏梵天像・帝釈天像と四天王像体が一定の距離感で鎮座する空間は非常に荘厳で震える空間だ。盧舎那仏はじめ仏像は360度どこからでも見る事が出来る。このような機会は今後100年以上無いと言っていい。実際にはあり得ない、入り込めない領域まで近づける。実際、この2点を唐招提寺以外で見られることは、もう2度と無いだろう。
鑑真和上像はホントに生きてるのかと見間違えるほどの存在がある。静かに微動だにせずそこに鎮座している。鑑真和上像一体であそこまで空間を支配するのが凄すぎる。鑑真和上像やら盧舎那仏等を手を触れんばかりの至近距離から鑑賞出来た。以前比叡山で見た仏壇が来訪者の閲覧場所よりも下の位置に存在していた。万人が同じと言う事を表現した空間だとお坊さんが丁寧に説明してくれた事を今でも覚えている。もしかしたらこのような近距離の閲覧こそ鑑真和上が表現したかった空間だったのかもしれない。

1.金堂再現
 唐招提寺金堂は、屋根と柱が織りなす美しさが印象的な奈良時代を代表する建築として知られています。堂内須弥壇(しゅみだん)の中央に盧舎那仏坐像、その向かって左に千手観音立像、右に薬師如来立像が安置され、盧舎那仏の前方左右に梵天帝釈天立像、須弥壇の四隅に四天王立像が配されています。巨像と天井の高い巨大建築による堂内空間は、さながら盧舎那仏を中心とする壮大な宇宙を感じさせます。
 本展示では、平成館の大展示室に、盧舎那仏坐像を中心として梵天帝釈天立像と四天王立像を安置することによって、金堂の堂内空間を再現します。通常、金堂の外側からしか拝することのできない各尊像を、観覧者があたかも自ら堂内に足を踏み入れているかのように拝し、より身近に対面できる場としたいと思います。各尊像のもつ魅力をライティングによって最大限に引き出し、観覧者が盧舎那仏の宇宙に身を置きながら、天平の造形空間を実感できることを意図しています。

2.御影堂再現
 御影堂は唐招提寺境内の北方奥に所在し、閑静なたたずまいを見せています。その中央奥室(松の間)に厨子が安置され、鑑真和上坐像が祀られています。各間は、昭和55年に東山魁夷によって完成された全68面に及ぶ障壁画で荘厳されています。
 本展示では、鑑真和上坐像とともに厨子絵を含む障壁画全点によって御影堂内を再現します。鑑真和上坐像は、日本に正式の戒律を伝えるために12年にわたる様々な困難の末に来朝した鑑真和上のあるがままの姿を伝える肖像彫刻の名作として知られていますが、像から発せられる崇高な精神は、それを拝する者に強い感銘を与えてきました。東山魁夷もその一人であり、構想から10年の歳月をかけ、丹精を込めて完成された障壁画は魁夷芸術の集大成であると共に、現代に生きる鑑真和上への敬慕の象徴ともいえるものです。今回、鑑真和上坐像とともに障壁画を全点展示する意図は、両者が一堂に会することによって醸し出される神聖な雰囲気を観覧者に実感していただくことにあります。こうした展示の機会は、おそらく今回が最初で最後になるといえましょう。
「バーチャルリアリティ」

唐招提寺2010プロジェクト

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