「表紙+裏表紙全体イラスト装丁本」

表紙の装丁があまりにも気になった本。「Fine days」本多 孝好。表題「Fine days」と表紙だけで初夏のすがすがしさを感じた装丁。表紙のイラストは管弘志（イラストレーター）だ。建造物やランドスケープを独自の構図で切り取り，具象と抽象が同居する作風で知られるアーティスト。以前の彼の作品に比べて”爽快感”のイラスト。表紙のトレーシングペーパーの素材感も相まってそのイラストの爽快さが一番のこのほんの印象になっている。実際はミステリアスな作品に仕上がっている表題の「Fine days」。そのギャップをこの表紙は見事に演じている。本に関する装丁の文字はトレーシングペーパーにしか印字されておらずトレペを剥がすと管弘志のイラストだけをまとった紙の束に見えるから不思議だ。文字が無く表紙と裏表紙全体でのイラストの本。表題のために空けられたイラストの上の白の帯がとてもきいている。それにしてもこの建造物、どこかで見たことがある気がする。

http://www.ultracyzo.com/gallery/kan/
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/MAGAZINE/STUDIOVOICE/297/
http://threecranes.hp.infoseek.co.jp/hondafan/