人の表と裏

9/11以降訪れる人が一番多いのがこのグラウンド・ゼロなんだろう。とにかく人がこの場所に集まっている。観光コースではなく裏道を徘徊しながら現地に向かったので作業員が作ったと思われる小屋が見られた。この通りにはブルドーザ−と作業員しか居なく。テロ以来の現地の人の思いがこの小屋には詰まってる事を肌で感じた。当時壊れていたウィンターガーデンのガラスも元通りだしテロの生々しさはなかなか伺えない。それもあってか犠牲者の名前が彫られたプレートのある場所の付近は観光色が濃厚だった。そこで記念写真を撮って居る家族連れが多い事。それもどう見ても記念にと撮っている。話す会話も凄いね凄いねと野次馬根性。アミューズメントスポットで楽しんでるのと変わらない光景にぞっとした。人間の恐ろしさを感じた。ウィンターガーデンから一望出来るのだが、その面積の大きい事、創造でしか実感出来ないWTCの巨大建築。創造しても創造しきれないほどの空間がそこにはあった。国を超えて仲良くなる人々も居るが国を超えて憎み合う人々も居る。平和とはなんなのだろう?建築は平和の為にまた同じような高層棟をここに建てる事しか出来ないのだろうか?この場所は人間の表と裏を見れる場所だった。テロを引き起こす要因ははここを訪れる人々のなかに既にあるようだ。こちら側とあちら側、式のときにもグランド・ゼロでも一瞬にして自分がこちら側にもあちら側にもなった。