「New Heaven建築博覧 NO.2」

modmasa2004-02-27

いよいよCenter for British Art and Studies(1972-77)へ!(http://www.yale.edu/ycba/)いざ建築を目の前にして圧巻!日本での建築事情の新しいor古い?なんてアホみたいにいい建築はいいのだ、時代が変わってもいいものはいい!!時間とともに廃れていく建築のなんと惨めな事か。建築は一度建てたらそう簡単に壊せる物ではない。美術館は素材、光、納まり何をとっても勉強になる。こんな名建築があったら毎日通うだろうに、それに膨大な美術品の数々。古典の物が多いのだが。中にはDamien Hirstの作品の初期の作品があった。立体作品だったが古典の作品が多い中彼の作品だけが異色だ。彼の作品はLe Parker Meridien(118 West 57th Street, New York, NY, 10019-3391, United States)(http://www.lemeridien.co.jp/usa/new_york/hotel_us1623.shtml)のロビーで見れるとか。流石NYはアートの街だ。入り口のドアヒンジからして凄い。どうやったらこんな風に動くのか?扉は本来建築の機械の一部なのかもしれない。開口部からのキャンパスの眺め、エントランス周りのトップライトの光、石+木材+鉄の素材感、これほど印象に残った建築は数少ない。カーンの死後に竣工した建築だ。2階から4階にかけての吹き抜け空間に円柱の階段室。夏場と言う事もあり光の奇麗な事。光によって素材(石+木材+鉄)は鮮度を増していた。この大空間を取り巻く様に展示室があるのだが、そこから眺める学芸員や観覧者、そして大空間にかかる大絵画を見る人々。沢山の視線がここで交錯し、人の存在を感じる事が出来る。スケール感の大切さを感じた。カーンの建築は何故か手の感触を感じる。建築を作った人の手を感じる事が出来る。たとえ機械を使っていたとしてもそれを作ってる人の存在を感じる事が出来る。そんな力を持っている建築だ。最上階の隅にある学芸員の研究室はガラス張りで中をうかがう事が出来る。研究部門がある美術館なのに大抵は裏方として隠してしまいがちなところが多い。が、美術館全体をこの様な形で伺い知る事が出来た。天井のトップライトといいライトといいあまりにも奇麗で新しく感じた。数人の学芸員に聞いてみても当時のままだと言う。当然メンテナンスも行き届いているのだろうけど改めて素材は生きているのだと教えられた。一カ所どうしても納まりが上手くいってない部分がある。あまりにも露骨に素材がずれてる場所だ。どう考えてもわざとしか言いようが無い。何故彼はここ一カ所だけこんなにもずれた表現をしたのだろうか?首を傾げて眺めてる僕に、スタッフも何故だと横で考えている。でも分からないという。そんな一時も良かった。最上階の裏方の通路(ホントは関係者以外は入れない場所)にカーンの当時の図面とスタディ模型の写真が飾ってある。カーンを讃える様にスタッフの通路にあった。それを感心して見てる僕に通りすがるスタッフは皆笑顔で通り過ぎていった。建築もすばらしいがスタッフもすばらしかった。場は人を呼ぶのだろうか!いつまでも愛される建築、時代が過ぎてもいい建築。自分の中で方向がもの凄く交錯していただけに彼の作品は一筋の道を導くものであった。