「死にカタログ」

modmasa2005-10-15

CMや雑誌、広告などで、JTの「大人たばこ養成講座」の絵を描いているイラストレーターの寄藤文平さんが「死」がどういうことかを様々な角度からユニークに描いた絵本。

    • ジプシーでは死ぬと「いなかったことになる」(p037)
    • フィリピン・マノボー族では死んでも「変わらない」(p042)
    • 日本での死ぬと「地獄に堕ちる」は地底8階建ての構造だとか(p045)
    • スウェーデンで死ぬと「肥料になる」遺体を粉末状にして、堆肥にするエコな埋葬(p047)
    • 日本・スイスでは死ぬと「アクセサリーやダイヤモンドになる」(p047)

エターナルジャパン
アルゴダンザ

    • 世界の年間死亡者数は5690万6000人 日本の年間死亡者数は101万4951人(p077)
    • 日本の映画配給収入ランキング20位のなかで、人が死ぬ物語の比率を調べてみました。「およそ9割。」「人が死なない国では、物語の中で人が死ぬ。」(p134)
    • 「死=物語ではない。」すでにある死の物語に自分の死をあてはめても、楽しいけど空想なんだと思います。今の自分が死ぬと、どういう物語になるか。それは別な話かな、という気がします。(p136)

あなたにとって、いちばん未来の話じゃないか。という帯のコピーのとおり誰もが通る、いや行く先。
寄藤文平のイラストのアクソメ鳥瞰のイラストの小さな世界で説明しているのがとても愛嬌があり楽しい!
養老孟司の死の考え方もあれば、たまにはこういった見方・考え方・伝え方もいい。
さらっと読んでしまえる本だけに友人に貸し出して回し見するといいかもしれない。
学生時代教室に「ウォーリーを探せ!」を数冊自腹で買ってきて常備した恩師。
彼が皆に伝えたかったことはそんな事だったのかなと今更ながらに感じる。
その本一冊の世界であり、それを見たとき読んだときの個々の印象や考え、それが教室に一冊あり皆が共有することによって多面的見方ができたりする。
ウォーリーだけを探すのから、彼の周りの状況の物語を想像したり、周りの人の会話を想像したりと案外いろんな楽しみ方が見いだせるものだ。
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 大人たばこ養成講座

死にカタログ」寄藤 文平 (著)
これは死に方についてのカタログである。
すべての人間にとって「いちばん未来の話」である死を、明るく真剣に考えてみよう、がテーマ。
1 死のカタチ
2 死のタイミング
3 死の場所
4 死の理由
5 死のものがたり
Bunpei Ginza
http://www.yomiuri.co.jp/book/author/20060117bk01.htm

死にカタログ

死にカタログ